判例コラム

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第360号 素因減額と人傷保険会社の代位の範囲  

~最高裁第三小法廷令和7年7月4日判決※1


文献番号 2025WLJCC025
青山学院大学 教授
山下 典孝


1.はじめに
 本件は、加害者(損害賠償義務者)のいる交通事故において、人身傷害条項付の任意自動車保険(以下「人傷保険」という)の引受保険会社(以下「人傷保険会社」という)が、同保険に適用される普通保険約款の人身傷害条項12条※2で定める後述の限定支払条項の適用がないと判断し、減額せずに人身傷害保険金(以下「人傷保険金」という)を被保険者である被害者に支払った場合でも、被害者が加害者に対して損害賠償請求訴訟を提起した当該訴訟において、被害者の事故前の疾患が限定支払条項所定の既存の身体の障害又は疾病に当たると判断されるときは、人傷保険会社は、支払った人傷保険金の額と素因減額後の損害額のうちいずれか少ない額を限度として被害者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得する旨を判示した最高裁での初めての判断であり、実務上も理論上も重要な意義を有するものである。


2.事実の概要
 本件は、X(上告人、控訴人、原告)が、Aを使用者として登録されている普通乗用自動車(以下「本件車両」という)について、平成30年5月22日、仙台市所在の甲駐車場(以下「本件駐車場」という)内において、その入口付近の路面の陥没(以下「本件陥没」という)に右前輪が入ってしまうという事故(以下「本件事故」という)が発生し、Xが負傷したと主張して、Y株式会社(被上告人、被控訴人、被告、以下「Y社」という)に対し、不法行為(工作物責任(民法717条1項※3))に基づく損害賠償を求めた事案である。
 Xは、Aが本件車両を被保険自動車、Xを被保険者とする人傷保険契約(以下「本件保険契約」という)を締結していたB損害保険会社(以下「訴外保険会社」という)から、本件保険契約に基づき人傷保険金666万3789円の支払を受けている。本件保険契約に適用される約款の人身傷害条項には以下の内容の規定が置かれていた。
 (1)訴外保険会社は、日本国内において、自動車の運行に起因する事故等に該当する急激かつ偶然な外来の事故により、被保険者が身体に傷害を被ることによって被保険者等に生じた損害に対し、人身傷害保険金を支払う※4
 (2)被保険者が上記傷害を被った時に既に存在していた身体の障害又は疾病(以下「既存の身体の障害又は疾病」という。)の影響により、上記傷害が重大となった場合には、訴外保険会社は、その影響がなかったときに相当する金額を支払う(以下「本件限定支払条項」という)※5
 訴外保険会社は本件限定支払条項を適用せずXに人傷保険金を支払ったが、その後のY社に対する損害賠償請求訴訟及び人傷保険金を支払った訴外保険会社からのY社に対する求償請求訴訟(2つの訴訟は併合されている)において、Xの素因減額と人傷保険会社の代位との関係が争点となった。
 第1審(仙台地判令和4年4月21日※6)は、「Xは、本件事故によって椎間板ヘルニアを発症し、これを手術で除去しているところ、これが神経根の腹側と癒着しており、軟骨がヘルニアから遊離して存在していたものと認められることからすると、Xの椎間板には、本件事故前から一定の変性が生じていたものと認めるのが相当である」としながらも、「Xについて、本件事故以前から腰痛ないしぎっくり腰を毎年発症していたとしても、そのことをもって、本件事故前から椎間板ヘルニアがあったとまでは認めることはできないないし、本件事故がXの身体に相応の衝撃を生じさせるものであったことなどを併せ考えると、本件事故後にXに認められた椎間板ヘルニアについて、原告の前記の変性の存在をもって、損害額を減額するほどの素因であると認めるに足りる証拠はないというべきである。」として素因減額を否定した。次に過失相殺については、2割の過失相殺を認めた。
 控訴審(仙台高判令和5年6月13日※7)は、XのY社に対する損害賠償の額を定めるに当たり、本件素因減額をするのが相当であるとした上で、訴外保険会社は、本件保険金の額と本件素因減額後の損害額のうちいずれか少ない額を限度としてXのY社に対する損害賠償請求権を代位取得すると判断し、本件素因減額後の損害額について過失相殺がされる本件においては、訴外保険会社は、本件保険金の額と本件過失相殺後の損害額との合計額(1193万5047円)から本件素因減額後の損害額を控除した残額(534万5974円)の範囲で上記損害賠償請求権を代位取得するから、上記損害賠償請求権の全部を代位取得したとして、Xの請求を棄却すべきものとした。
 そこで、Xは、訴外保険会社は本件限定支払条項に基づく減額をすることなく本件保険金の支払をしたのであるから、本件保険金は本件素因減額をする前の損害額を填補するものであり、訴外保険会社は、本件保険金の額と本件素因減額後の損害額との合計額が本件素因減額をする前の損害額を上回る場合に限り、その上回る部分に相当する額の範囲でXのY社に対する損害賠償請求権を代位取得するにすぎず、原審の上記判断には法令の解釈適用の誤り及び判例違反があるとして上告したのが本件訴訟である。


3.最高裁の判断
 「自動車保険契約に適用される普通保険約款中の人身傷害条項に基づき、被保険者である交通事故等の被害者が被った損害に対して人身傷害保険金を支払った保険会社は、支払った人身傷害保険金の額の限度内で、これによって填補される損害に係る保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得するところ、保険会社がいかなる範囲で保険金請求権者の上記請求権を代位取得するのかは、上記約款の定めるところによることとなる(最高裁平成21年(受)第1461号・第1462号同24年2月20日第一小法廷判決・民集66巻2号742頁参照)。
 本件約款中の人身傷害条項には、被保険者が自動車の運行に起因する事故等に該当する急激かつ偶然な外来の事故により傷害を被った時に既に存在していた身体の障害又は疾病(既存の身体の障害又は疾病)の影響により、上記傷害が重大となった場合には、訴外保険会社は、その影響がなかったときに相当する金額を支払う旨の定め(本件限定支払条項)が置かれている。これは、人身傷害保険金は上記事故により被保険者が身体に傷害を被ることによって被保険者等に生じた損害の填補を目的として支払われるものであることから、上記の場合には、訴外保険会社は、その影響の度合いに応じて保険金の一部を減額して支払うものとすることにより、既存の身体の障害又は疾病による影響に係る部分を保険による損害填補の対象から除外する趣旨を明らかにしたものと解される。そうすると、上記人身傷害条項に基づき支払われる人身傷害保険金は、被保険者の既存の身体の障害又は疾病による影響に係る部分を除いた損害を填補する趣旨・目的の下で支払われるものであるということができる。したがって、上記人身傷害条項の被保険者である被害者に対する加害行為と加害行為前から存在していた被害者の疾患とが共に原因となって損害が発生した事案について、裁判所が、損害賠償の額を定めるに当たり、民法722条2項の過失相殺の規定を類推適用して、上記疾患をしんしゃくし、その額を減額する場合において、上記疾患が本件限定支払条項にいう既存の身体の障害又は疾病に当たるときは、被害者に支払われた人身傷害保険金は、上記疾患による影響に係る部分を除いた損害を填補するものと解すべきである。
 以上によれば、上記の場合において、上記疾患が本件限定支払条項にいう既存の身体の障害又は疾病に当たるときは、被害者に対して人身傷害保険金を支払った訴外保険会社は、支払った人身傷害保険金の額と上記の減額をした後の損害額のうちいずれか少ない額を限度として被害者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得すると解するのが相当である。このことは、訴外保険会社が人身傷害保険金の支払に際し、本件限定支払条項に基づく減額をしたか否かによって左右されるものではない。」


4.検討
(1)既存の疾病と限定支払条項

 交通事故の被害者の既存の疾病と交通事故とが競合して損害が発生し、身体に対する加害行為と発生した損害との間に相当因果関係がある場合において、既存の疾病により重篤となったときには、素因減額の問題として、損害を公平に分担させるという損害賠償法の理念に照らし、損害賠償の額を定める際に、民法722条2項※8の類推適用により、その損害の拡大に寄与した被害者の事情を斟酌することができるものと解されている※9
 人身傷害条項において、保険金が支払われる場合として、人傷保険会社は、日本国内において、人身傷害事故によって被保険者又はその父母、配偶者若しくは子が被る損害に対して、この条項の規定に従い、保険金を支払う旨の定めが置かれている。人身傷害事故と相当因果関係のある傷害に限定して、被保険者等の損害額を算定して保険金を支払うことになる※10
 本件で問題となった限定支払条項は人身傷害条項以外にも自損事故条項、無保険車傷害条項、搭乗者傷害条項等、定額給付の傷害保険であるか、損害填補の傷害保険かの区別なく一律に設けられている。
 限定支払条項の意義について、傷害保険契約が傷害に対する保護の提供を目的とするものであることから、疾病の影響がある場合を一定の範囲において保険保護の対象から除外することを意図し、疾病保険契約において保険金支払の対象になるべきものが傷害保険契約に取り込まれることを防止し、疾病保険と傷害保険の保護範囲を分担するという趣旨にあると解されている※11。他方、学説においては人身傷害保険の趣旨・目的や被害者保護の観点から限定支払条項を設けていることや、その適用について疑問を示す見解※12も主張されている。


(2)素因減額と人傷保険会社の代位の範囲
 本判決以前の下級審裁判例では、限定支払条項の適用を前提として、素因減額後の損害額に従い過失相殺を行い、素因減額部分への人傷保険金への充当を否定的に解するものが多数である※13。他方、大阪地判平成25年10月3日※14は、人傷保険会社と人傷保険の被保険者との合意で人傷保険金を素因減額部分に優先充当する旨の個別合意があった点を踏まえ、被保険者に不利となるものではなく、特段このような合意の効力を否定すべき理由はないとして、充当を肯定する。また広島高判令和3年1月29日※15では、人身傷害条項によれば、人傷保険会社は被害者の損害につきその過失の有無、割合にかかわらず填補する趣旨・目的で傷害保険金を支払うものと解され、本件代位条項により人傷保険会社が代位取得する「被保険者等の取得した債権の額から、保険金が支払われていない損害の額を差し引いた額」は、保険金請求権者が被保険者である被害者の過失の有無、割合にかかわらず、上記保険金の支払によって民法上認められるべき過失相殺前の損害額を確保することができるように解すべきであるとした上で、上記趣旨目的に照らせば、訴訟上、過失相殺の規定の類推適用により素因減額がされたとしても、少なくとも保険金支払の際、限定支払条項を適用することなく算定された保険金が支払われた事案における代位の場面においては、被害者が素因減額前の損害額を確保できるように解するのが相当であるとして、素因減額部分を代位の対象に含めるものとした。
 次に学説等では、本判決が引用する最一小判平成24年2月20日※16(以下「平成24年最判」という)の調査官解説では、約款に素因減額の分についての限定支払条項があったとしても、代位の場面では、被害者が被る実損をその過失の有無、割合にかかわらず填補する者という人傷保険の趣旨・目的に照らし、本判決の示した法理が適用されても良いように思われるとする見解※17が示されていた。また、人傷保険会社が保険金支払の段階で既存の疾病等が被保険者の傷害の程度に影響しなかったと判断したにもかかわらず、後の損害賠償の段階で訴訟において素因減額が認められたからといって、その利益を享受するのは信義に反するとする見解※18、同様に、人傷保険会社が限定支払条項を適用せずに被害者に人傷保険金を支払っている以上、被害者の素因減額に相当する部分の損害は既に填補されており、また人傷保険会社は素因減額部分を保険金として支払っている以上、結果として人傷保険会社が素因減額部分を代位の対象とすることには問題がないとして前掲・広島高判令和3年1月29日の立場を支持する見解※19がある。
 他方、素因減額部分の優先充当を否定する見解として、以下の点が理由としてあげられていた。すなわち、①限定支払条項に基づき疾病リスクを除外し、過失相殺と素因減額とを分けて取り扱っており、その文言上において素因減額を過失相殺と同様に扱うことは解釈論としては無理があること※20、②人傷保険においては、過失相殺とは異なり、素因減額分については支払保険金に算入されるものでないこと※21、③人傷保険は自損事故の場合も損害が填補され、被害者の素因が損害の拡大に寄与した場合には、素因減額により支払金額が縮減されることになり、加害者が存在し代位が機能する場合には、被保険者の権利を害しない範囲でしか求償できず、差額説の処理に従い、結果的に過失相殺によって減額された部分に保険金額が優先的に充当されることになり、過失相殺による減額部分の充当は代位制度が存在する故の結果といえるが、限定支払条項に基づく素因減額は、代位制度とは全く無関係に機能するものであり、これに代位が適用された場合と同様の効果は約款構成上想定されていないとして、傷害保険の性質を中心に考察すべきであること※22、である。


(3)本判決の検討
 本判決が引用する平成24年最判は差額説によることを示した上で、約款別表の人身傷害損害額基準ではなく、裁判基準損害額に従い人傷保険会社の代位の範囲が定まることを判示したものである※23。その根拠として人傷保険の趣旨・目的や人身傷害条項の文言が根拠として示されている。そして、訴訟が提起された場合には、裁判基準損害額に従うために、判決の確定又は裁判上の和解によって損害額(被保険者債権)が確定するまで人傷保険会社の代位の範囲は確定しないことになる※24。そのため、人傷保険会社が被害者に人傷保険金の支払を判断する際に本件限定支払条項の適用がないと判断したとしても、訴訟において素因減額が認められ、その内容により本件限定支払条項の適用が認められるのであれば、当該条項の適用が肯定される結果として、素因減額後の損害額を基に過失相殺がなされ、人傷保険会社の代位の範囲も裁判基準損害額に基づき決定される以上は、素因減額部分の優先充当は認められないと解することになる。被害者が訴訟を選択し裁判基準損害額に基づき損害の填補を求めた以上、それに伴う不利益も甘受せざるを得ないのではないか※25。損害賠償請求先行の場合と人傷保険金請求先行の場合とで被保険者が填補を受ける総額に相違がないようにするために読替条項を設けた趣旨も踏まえれば、本判決の結論に合理性があるといえる。



(掲載日 2025年11月18日)

  • 最三小判令和7年7月4日 WestlawJapan文献番号2025WLJPCA07049001参照。本件の先行研究として、浅井弘章「判批」銀行法務21第929号64頁(2025年)、西内康人「判批」有斐閣OnlineロージャーナルL2507003(2025年)、古谷貴之「判批」法教542号114頁(2025年)がある。
  • 本件事故当時の当該人傷保険会社のダイレクト総合自動車保険に適用される約款(保険始期日2018年3月1日以降用)では人傷保険に係る条項は普通保険約款にはなく、人身傷害補償特約として設けられていた(第1審判決参照)。本稿では、最高裁判決の判決文に合わせている。
  • 民法717条1項。
  • 人身傷害補償特約3条参照。
  • 人身傷害補償特約12条1項参照。
  • 仙台地判令和4年4月21日 WestlawJapan文献番号2022WLJPCA04216019参照。
  • 仙台高判令和5年6月13日 WestlawJapan文献番号2023WLJPCA06136010参照。
  • 民法722条2項。
  • 最一小判昭和63年4月21日民集42巻4号243頁 WestlawJapan文献番号1988WLJPCA04210001、最一小判平成4年6月25日民集46巻4号400頁 WestlawJapan文献番号1992WLJPCA06250001、最三小判平成8年10月29日民集50巻9号2474頁 WestlawJapan文献番号1996WLJPCA10290001。
  • 「自動車保険の解説」編集委員会『自動車保険の解説2023』(保険毎日新聞社、2023年)115頁、佐野誠=山下典孝=遠山聡編『自動車保険約款コンメンタールⅠ』(保険毎日新聞社、2025年)164頁〔木村健登〕。
  • 山下友信=永沢徹編著『論点体系保険法1〔第2版〕』(第一法規、2022年)421頁〔南出行生〕。
  • 新美育文「人身傷害補償保険によって塡補される『損害』とは」(公財)交通事故紛争処理センター編『交通事故紛争処理の法理』(ぎょうせい、2014年)579頁以下、藤村和夫「人身傷害保険と素因減額」五十嵐敬喜=近江幸治=楜澤能生編『民事法学の歴史と未来』(成文堂、2014年)97頁、肥塚肇雄「判批」損保研究76巻4号423頁(2015年)等。
  • 大阪地判平成24年9月19日交通民集45巻5号1164頁 WestlawJapan文献番号2012WLJPCA09196002、大阪地判平成25年11月21日交通民集46巻6号1479頁 WestlawJapan文献番号2013WLJPCA11216007、神戸地判平成26年12月22日交通民集47巻6号1593頁 WestlawJapan文献番号2014WLJPCA12226001、仙台高判平成29年11月24日自保ジャーナル2022号1頁 WestlawJapan文献番号2017WLJPCA11246010、広島地判令和2年6月26日自保ジャーナル2089号20頁 WestlawJapan文献番号2020WLJPCA06266008、大阪地判令和5年3月28日自保ジャーナル2152号67頁 WestlawJapan文献番号2023WLJPCA03286019、仙台高判令和5年6月13日・前掲注7等。
  • 自保ジャーナル1918号158頁 WestlawJapan文献番号2013WLJPCA10038006。
  • 自保ジャーナル2089号11頁 WestlawJapan文献番号2021WLJPCA01296009。
  • 民集66巻2号742頁 WestlawJapan文献番号2012WLJPCA02209002。
  • 榎木光宏「判解」法曹66巻6号1577頁(注7)(2014年)。
  • 佐野誠「人身傷害保険における疾病の扱い」保険学雑誌630号244頁(2015年)。
  • 原弘明「判批」損保研究84巻3号114頁(2022年)。
  • 甘利公人「判批」新美育文=山本豊=古笛恵子編『別冊ジュリスト 交通事故判例百選〔第5版〕』(有斐閣、2017年)223頁。
  • 山下友信『保険法(下)』(有斐閣、2022年)418頁(注49)。
  • 藤村和夫=伊藤文夫=高野真人=森冨義明編『実務交通事故訴訟大系 第2巻 責任と保険』(ぎょうせい、2017年)486-487頁〔山野嘉朗〕。
  • 当該判決は裁判基準差額説の立場を採用したものである。請求権代位を定める保険法25条は片面的強行規定とされているが(同法26条)、裁判基準損害額とは別の損害額算定基準に基づき保険者の代位の範囲を決めることが当然に片面的強行規定に反するわけではない(嶋寺基「判批」NBL974号7頁(2012年)、同『最新保険事情』(金融財政事情研究会、2011年)145-146頁参照)。
  • 損害賠償請求訴訟を提起し、その後に人傷保険会社に人傷保険金の請求をするケースでも、裁判基準損害額に読み替えて被保険者の損害額の決定を認める読替条項が設けられていることも考えれば(人身傷害補償特約9条5項参照)、被保険者の損害額が確定するまでは人傷保険会社の代位の範囲は決められないことになる。
  • 本判決の詳細な検討は別稿において予定している(2026年2月下旬頃刊行予定)。


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