輸出品のHSコードとどのように付き合うか?- 後編

著者: Akira Shioi

「通則」を含む難解さとの闘いを制すには!
前編では日本への輸入を例に、HSコードを輸入国税関に聞く、また「事前教示制度」により正式に教示してもらい、安心を得る方法をお話ししました。 後編では、日本企業が海外へ製品を輸出するとき、「HSコードをどのように自己判断できるか」 について考えてみます。 前回、輸出入実務の流れに沿って説明を行いましたが、もう少し続けます。

1)日本からの輸出の場合から見てみましょう。輸出者は、対象貨物を区分けして該当HSコードを使い、税関に対し輸出申告を行います。税関は申告内容を審査した後に輸出許可を出します。輸出者は許可後に船積み(輸出)を実行します。国際輸送を経て仕向地に到着した貨物(物品)は、今度は輸入者が輸入国税関に対して輸入申告します。その際、輸出者からの商業送り状(Invoice:仕入書)や原産地証明書などの必要書類とともに輸入申告の手続きを執ります。輸入国税関は書類審査や場合により現物検査を行って内容を精査して、輸入許可を出します。
そこで輸入国税関の権限によりHSコード(税番)と関税等が事実上、決まることになります。 

参考まで少し解説しますと、日本輸入時、原則は輸入者による「申告納税方式」です。この方式では関税法の定めに従い税関は、輸入許可前かつ納税前、そして「減額」の場合のみ、申告納税額を更正(変更)できます。また輸入者側では納税額が法令に照らして誤っていたり金額が過少の場合、のちに修正申告ができます。

2)次に海外国側の輸入を考えてみます。これは当然それぞれの国の法令と輸入手続き方式に従った輸入申告・納税等が行われます。ですから、輸入者による申告納税方式か税関による賦課課税方式か、など手続きは国により異なります。しかしながら、もし輸入国税関が関税判定の基本となるHSコード(税番)が正しくないと考えれば、その対応を執ることになります。つまり本質的に日本から輸出する際のHSコード(6桁の世界共通である「項」)が、輸入国でそのまま尊重される保証はありません。EPA(FTA:自由貿易協定)が規定する関税の便益を活用しようとする場合、特定原産地証明書に記載されたHSコードについても輸入国税関が評価しますので、輸入国税関が輸入品の税番(HSコード)と課税金額を実質的に決めることになると考えられます。 

整理しますと日本輸入は「申告納税方式」であり、輸入者(輸入者に代わり申告を行う通関業者など)がHSコードと納税額などを申告することにより、税関が書類審査や現物検査を行って決する方式です。海外国の輸入では当該国ルール(その国の貿易関係の法令等)に従い関税等が決します。 

海外国での輸入申告から許可までの間において、日本から輸出したときの(第3者機関が発給した「原産地証明書」 Certificate of Origin)記載のHSコード(「号」 6桁)が輸入国でもそのまま受け入れられる(そのHSコードで輸入許可がされて通関が切れる)かどうかは輸出側判断ではありません。ですから各公的機関は、まず日本の輸出者に対して「輸入国税関に正しいHSコードを事前確認すること」を推奨しているわけです。

注)出典:日本商工会議所ウェブ
【抜粋】特定原産地証明書に記載するHSコードは、輸入相手国の6桁のHSコードです。HSコードは、輸入者を通じて輸入国税関に確認いただくか日本国内の最寄りの税関にお問い合わせください。号(=上6桁)までは世界共通ですが、統計細分(=下3桁)が輸入国に存在するかは「譲許表」等で確認してください。 

前編で述べたとおり、HSコードの「号」(頭から6桁)はHS条約が定める世界共通番号です。輸出申告のHSコードが輸入通関時に6桁目まで同じとして認められたとして、7桁目以降は輸入国による採番ルールやシステム入力手続きが異なります。ここは輸入(申告)者による輸入国税関への対応となります。 

では、これらの実態を踏まえて、日本の輸出者が輸出の際どのように対応すればよいでしょうか。 輸出者のリスクミニマム視点で考えると、貿易ルールと法令から導く正解としては、繰り返しですが「輸入者を通じて輸入国税関に事前教示の問合せを行い、輸入国税関からHSコードの判断を入手しておく」 ということになります。

物品の所属を決めるための法則
後編・本稿の結論へと移る前に、HSコード判定についてひとつ有益な知識を紹介しておこうと思います。 先を急ぎたい方はこの項目を飛ばして、次の●輸出入の取引条件毎に考えてみる、をご覧ください。 

実は、HSコードを決めるとき判断の拠りどころとなる公的ルールがWCO(世界税関機構)に存在します。それを 『通則』 ; 輸入(輸出)統計品目表の解釈に関する通則、といいます。 

*『通則』輸出統計品目表の解釈に関する通則 

この「通則」は物品の所属(HSコード)を判断する際のいわば憲法です。ですから、輸出入者が判断に迷ったらこの通則を使い、論理的にHSコード判定を(最終確定でなく、あくまでも推定ですが)行うことは可能です。現実にHSコードを最終決定するためのロジックとして税関官吏や通関士もこの通則を使います。 

問題は、通則自体をきちんと理解しようにも内容的にかなり難しい、と思われることです。一般のビジネスパースンにこの通則を使いこなすことを求めるのはハードルが高いでしょう。わずか6か条しかありませんがとても難解です。ここで参照のために日本語版を掲載し、一部分かりやすい解説を付けます。 なお通則の6か条は、1項目目から6項目目まで、上から下へと順に適用していく約束となっています。

『輸出入統計品目表の解釈に関する通則』 
1)部、類及び節の表題は、単に参照上の便宜のために設けたものである。 この表の適用に当たっては、物品の所属は、項の規定及びこれに関係する部又は類の注の規定に従い、 かつ、これらの項又は注に別段の定めがある場合を除くほか、次の原則に定めるところに従って決定する。 

<解説>→「契約書の解説」でも同様の概念が用いられますが、「表題」はあくまでも便宜上の呼び名に過ぎない、表題によってHSコードを決めるな!です。物品の所属を決める時には表題ではなく、「項」(HSコードの頭4桁)の規定や、その規定に関する部の注意書き、「類」(頭2桁)の注意書きをよく読みなさい、と言っています。 

2(a) 各項に記載するいずれかの物品には、未完成の物品で、完成した物品としての重要な特性を 提示の際に有するものを含むものとし、また、完成した物品(この2 の原則により完成したものとみなす 未完成の物品を含む。)で、提示の際に組み立ててないもの及び分解してあるものを含む。 

<解説>→「提示の際」とは輸入通関時を指します。輸入申告する際、あるいはその際に請われて税関係官に「もの」を見せる場合などの意味です。分かりやすく、自転車を輸入する例で解説します。 前輪・後輪・フレーム・ハンドル・ギア・サドル・ペダルなど、いくつかのモジュールや部品に分解された姿かたちで輸入するとしても、組み立てて完成したときには自転車なので、「自転車のHSコード」により輸入申告することになります。 * HSコード;8712.00.1070 - Bicycles having both wheels not exceeding 63.5 cm (25 inches) in diameter 

2(b)  各項に記載するいずれかの材料又は物質には、当該材料又は物質に他の材料又は物質を混合し 又は結合した物品を含むものとし、また、特定の材料又は物質から成る物品には、一部が当該材料又は 物質から成る物品も含む。二以上の材料又は物質から成る物品の所属は、3 の原則に従って決定する。 

3) 2(b)の規定の適用により又は他の理由により物品が二以上の項に属するとみられる場合には、 次に定めるところによりその所属を決定する。 

<2(b)で決められないときには3(a)以降でのルールを使って決めなさいと言っています> 

(a) 最も特殊な限定をして記載している項が、これよりも一般的な記載をしている項に優先する。 ただし、二以上の項のそれぞれが、混合し若しくは結合した物品に含まれる材料若しくは物質の 一部のみ又は小売用のセットの構成要素の一部のみについて記載をしている場合には、 これらの項のうち一の項が当該物品について一層完全な又は詳細な記載をしているとしても、 これらの項は、当該物品について等しく特殊な限定をしているものとみなす。 

<解説>→「最も特殊な限定をして記載している項が、これよりも一般的な記載をしている項に優先する。」については、自動車の室内に敷いて使うフロアマットの場合で解説します。 「自動車用の部品」のHSコードよりも、「化繊性の敷物(絨毯)」のHSコードの方が、より特殊な限定をしていると考えられる(組成、素材によりHS分類が異なる)ので、これは「自動車用の部品」ではなく、「素材が○○である絨毯(敷物)」 として分類するべき、となります。 

(b) 混合物、異なる材料から成る物品、異なる構成要素で作られた物品及び小売用のセットにした物品であって、(a)の規定により所属を決定することができないものは、この(b)の規定を適用することができる限り、当該物品に重要な特性を与えている材料又は構成要素から成るものとしてその所属を決定する。 

<解説>→例えば、スパゲティ麺、ミートソース、粉末チーズ等がひとつの袋に詰められたセット商品として輸入・販売されるとき、それぞれスパゲティ(麺)、チーズなど単体品目のHSコード による個々の輸入申告とはなりません。この物品の「重要な特性」は “ミートスパゲティを作れる食品セット” としての存在です。ですから、「ミートスパゲティのセット」 としてHSコードを決める、ということです。 

(c) (a)及び(b)の規定により所属を決定することができない物品は、等しく考慮に値する項のうち数字上の配列において最後となる項に属する。 

4)前記の原則によりその所属を決定することができない物品は、当該物品に最も類似する物品が属する項に属する。 

5) 前記の原則のほか、次の物品については、次の原則を適用する。 (a) 写真機用ケース、楽器用ケース、銃用ケース、製図機器用ケース、首飾り用ケースその他これらに類する容器で特定の物品又は物品のセットを収納するために特に製作し又は適合させたものであって、長期間の使用に適し、当該容器に収納される物品とともに提示され、かつ、通常当該物品とともに販売されるものは、当該物品に含まれる。ただし、この(a)の原則は、重要な特性を全体に与えている容器については、適用しない。 

<解説> → カメラを輸入するときにその機種専用のカメラケース(バッグ)があり、カメラとケースが一緒に輸入されたら、ケース自体は通常当該物品とともに販売されるものであるため「カメラ(写真機)本体」のHSコードに分類されます。しかしながら、それがカメラ用ケースだが、ケースに何か特別の飾りとか特殊・重要な機能を付加するなどで、ケースそれ自体が商品として独立して別売されることが可能な仕様である場合、ケースやバッグとしてのHSコードに該当することになります。(この辺の判断には主観が入る余地がありそうです) 

(b) (a)の規定に従うことを条件として、物品とともに提示し、かつ、当該物品の包装に通常使用する包装材料及び包装容器は、当該物品に含まれる。ただし、この(b)の規定は、反復使用に適することが明らかな包装材料及び包装容器については、適用しない。 

6 この表の適用に当たっては、項のうちのいずれの号に物品が属するかは、号の規定及びこれに関係する号の注の規定に従い、かつ、前記の原則を準用して決定するものとし、この場合において、同一の水準にある号のみを比較することができる。この6 の原則の適用上、文脈により別に解釈される場合を除くほか、関係する部又は類の注も適用する。 

以上、World Customs Organization(WCO)のリンクを紹介しますので原文(英語)で読みたい方はこちらを閲覧ください。
Page.Ⅱ5  2. Structure of the HS に、(a) The Interpretative Rules 以下の記述があります。 <Quote partially> There are six of these rules, known as the General Rules for the Interpretation, which are applied in hierarchical fashion, i.e., Rule 1 takes precedence over Rule 2, Rule 2 over Rule 3, etc. The General Interpretative Rules are exp  <Unquote> 

どうでしょう? たったの6か条ですが少々頭が痛くなってきませんでしょうか? 

もしも貴方が上記通則を最後まで読め、6つのルール全てを理解できたら素晴らしいですが、身近で分かりやすい例を使った具体例で解読しない限り、おそらく難解すぎて使うにはハードルが高いのではないでしょうか。

輸出入の取引条件毎に考えてみる
さて本旨に戻って、今度は輸出入取引における売買条件で2つのケースを対比して解説します。

一つ目は、受渡条件(Delivery term)で、インコタームズ®の「F条件」の場合を考えてみます。 輸出者は(日本の関税法等による)輸出申告の義務を果たし、買い手(輸入者)が指定する国際輸送手段に船積み(ShipあるいはDelivery)すればインコタームズ®が規定する「売り手の義務」の一つを果たしたことになります。ですから輸出者は輸入国での輸入申告や、その際のHSコード=税番と課税の有無等については気にする必要も、何ら契約上の義務もありません。 これら貿易上の危険負担と費用は、船積み時点で輸入者側へ転嫁されています。「F条件」が、Free on board、Free Carrier(FCA) と呼ばれるゆえんです。 

次に、インコタームズ®2010のD条件(DDP,DAP,DAT)の場合はどうでしょうか。 輸出者は輸出申告を行った後、自らの責任(危険負担)と費用で手配した国際輸送手段に貨物を積込みます。そして買い手(輸入者)が指定する仕向地(Place)や仕向港・空港ターミナル(Terminal)等、買い手に引渡しを行う(到着地の)『指定場所までの』国際輸送も売り手の義務として実行します。

DDP条件は仕向け国の輸入通関および納税までが売り手(輸出者)の負担と義務です。したがって輸出者が自ら(輸入国ルールに沿った)輸入通関も行い、関税ほかの必要な税や通関に係る諸掛費用も全て支払います。つまり買い手(輸入者)の指定場所へお届けするまでの全ての危険負担と費用は輸出者義務です。この場合、輸入通関時のHSコードが何番で関税がいくらかかるかは売り手(輸出者)勘定となり、納税も必須です。

上記DDPの場合、相手国制度によって「非居住者」は「輸入者」になりえない場合があり、居住者である現地通関業者などに輸入代行を頼むことになります。輸出者が日本企業であれば基本的に非居住者ですから輸入者にはなりえません。輸入者に頼むことで事前に輸入国税関に(事前教示制度で)HSコードと関税など必要コストまで確認・把握しておくことが安全であり、かつまた取引の定石です。

  さらに補足すると、国によっては輸入通関の手続きだけでは済まず、「他法令」により輸入が許可制であったり、輸入後の国内販売が規制されている場合があります。このような場合、相手国の国内法とその規制も含め「輸出前に輸入国の事前確認を全て行う」ことが安全であり、得策であると言えます。

次に、親子会社間の貿易取引です。親会社が商品を日本から海外へ輸出し、100%出資の海外子会社が現地販売のため輸入するのであれば、当該現地子会社が輸入国税関に輸入者の立場で直接に問い合わせることができます。(ちなみにこのケースでは、親子会社間の売買による移転価格税制の問題がクローズアップされることがあります)

貿易ルールを念頭に、経済合理性・プロセス効率性から考える
ここで一度立ち止まって考えてみます。例えば、機械設備ものの海外取引のように一度限りで反復継続しない大型の高額売買(輸入)であれば、輸入HSコードを含めて輸入規制の有無など、事前チェックを輸入者が行い、輸出者側への指示や情報要求をしてくることがあります。輸入できるかどうか、輸入するために必要な手当てについては輸入者が事前チェックし、輸出船積みを行う前の段階で買い手・売り手間で詳細な摺合せや確認が行われる、といった形です。このような(HSコードの輸入国税関による事前教示を含む)事前確認は費用対効果を考えても十分にペイすると言えます。

しかしグローバル取引の形態はさまざまですからケース毎に異なる取引条件があります。また貿易の性質上、国内から海外へと長いパスを通じて連絡を行い、複雑な貿易実務(手続き)を適時適切かつ迅速に遂行しなければなりません。そうなると、毎回異なる物品のHSコードを個別照会するやり方は果たして機能するのでしょうか?

多種多様な商品を頻度多く扱う輸出専門商社をここで想定してみます。一品ものや都度異なる商品を小ロットで多数回輸出する、あるいは海外からさまざま異なる商品や部品・材料を頻繁かつ都度輸入するといった事業では、多くの品目に対して輸入のHSコードを調べるだけで工数が逼迫してしまう可能性があります。扱い件数が多くなればなるほど輸入国税関へ問い合わせることは実務的に困難かもしれません。しかも輸出者が輸入国税関へ問合せしても受け付けてはくれませんので、輸入者が自国税関に尋ねることになります。従いこのような税関への問合せは輸入者にも抵抗感や障害がありえます。現実には 「とても手間暇のかかるHSコード判定をやってはいられない」 のが本音ではないか、と思います。これらを踏まえて次の段階へ進めるにはどうすればよいのでしょう?

まとめ:本稿の前編と後編を通しての結論、そしてお勧め
ここまでHSコード(税番)と通則、輸出入実務の関係などを詳しく説明してきました。最後に、本稿の結論としてみなさまにお勧めしたいことを整理します。

HSコードの判断には上述した専門ロジックとしての「通則」があることが分かりました。しかし一般企業において日常繰り広げられる多種多様な商品についてこの通則に従って個々に判定することは効率的でしょうか?輸入国で関税がかかるか無税か、あるいはEPA(FTA)を活用して関税の特典をうまく適用することができるか等々、関税も含めた貿易コストを効率よく算出・判断するには、最初の出発点として正しいHSコードが不可欠です。そこで後戻り作業がなく、正確さと確実さを追求したい方向けに、以下をご紹介しておきたいと思います。

お勧めは、トムソンロイターの ONESOURCE™ GLOBAL TRADE製品 “Classifier” です。 この製品は、まず世界共通のHSコード(「号」 6桁)をシステムに内蔵するルールエンジンとHSコードのコンテンツを使って簡易判定し、その番号を自動表示するERPソリューションで、たいへん便利なものです。輸入国と原産国(輸出側)をそれぞれ画面から入力すると、常にアップデートされるコンテンツを使いルールエンジンがHSコードを自動判定します。品目が複雑な物品の場合、正しいHS判定を行うために必要な質問がシステムから自動提示されます。質問に対する解答選択肢から選ぶ形で入力することにより、品目の素材、重要な特性、形状、用途等を絞り込むことができ、ルールエンジンがHSコードの判定を的確に行うことができるように設計されています。これはたいへんインテリジェントなシステムと言えます。

輸出入実務のご担当者には有益なルールエンジンとコンテンツを備えたこの“Classifier”をツールとして導入してお使いになることが得策ではないでしょうか。更に、高額品などリスクの大きい輸出入案件(品目)に対して、HSコードの判定に社内承認プロセスを加えて管理する(当該製品でサポートされている機能)こともお勧めしたい手法です。このような手法は、会社としての内部統制にもかない、コンプライアンス実現の大きな助けになるでしょう。

もちろんHSコード判定の証跡やそのための添付資料をシステムに保存、後日出力することも可能です。輸出する(日本)親会社と輸入する(外国)子会社で“Classifier”を共有すれば、税関から輸入許可前に物品照会の質問を受けた時など、判定データや参考資料をシステム出力し、税関説明に迅速な対応が可能です。

海外事業リスク軽減の最適策(お勧め)
輸入者が輸入国税関にHSコードや関税評価等を事前問合せすることを輸出入者間で協議し予め決めておき、輸出担当者が輸入手続きを含めた全体調整をリード、輸出から輸入まで一連の流れを把握して輸出遂行する。このように輸出から輸入までの貿易取引をトータルに 「見える化」 して管理できるプロセスを、導入するとなお良いでしょう。 “Classifier” を使いながら、更に複数のチェックポイントを組み合わせた社内プロセスを確立することで、貿易リスクの最小化が可能です。

このように多段階の内部統制スキームを確立すれば、①貿易実務を大幅に効率化、②輸出入手続きのリードタイムを短縮し、なおかつ③担当者のマニュアル判断による恣意性を排除することが可能です。一元的で統一されたロジックに基づく一貫性のある品目分類決定を実現することで、貿易リスク軽減とコンプライアンスに大きな効果が期待できます。

本ブログで述べてきたことは海外事業における内部統制プロセスやコンプライアンスという 「守り」 に見えるのですが、積極的にグローバル市場に打って出るときには、間違いなく最適な 「攻め」 の解となり、業務改革のコアともなりえるのではないかとさえ筆者には思えます。以上、HSコードを主軸に、輸出入の現場における実務解説を交えてご紹介をしてみました。 お読みいただいた方の今後の一助にでもなれば、幸いです。