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【CoCounsel】

三井海洋開発株式会社

法務7名体制でグローバル事業を支える生成AI導入で実現した法務業務効率化


FPSO事業のグローバル展開を法務面からサポート

―事業内容と法務部の役割について教えてください。

杉村: 弊社では、海洋石油・ガス開発に用いられる浮体式のプラント(FPSO)をメインとし、その設計から建造、お客様へのリース、さらにはオペレーション&メンテナンスと呼ばれる保守点検まで、トータルサービスを行っています。世界中の海洋石油フィールドで仕事をしており、特にブラジルや西アフリカで多くのFPSOが稼働しています。私たちは法務&プロジェクト管理部に所属しており、法務とプロジェクト管理の側面から、建造工事などの契約業務を支援しています。石油会社とのリース契約や、FPSO建造に関わる契約等について、レビュー、交渉実務を担当しています。

7名体制でグローバル案件をこなす法務部門の課題

――『CoCounsel』導入の背景について、教えてください。

藤原:法務&プロジェクト管理部は、現在7名体制。契約レビューや法務相談を担う法務担当が4名、そしてビジネスや商務条件の観点から契約に照らしてプロジェクトをサポートするプロジェクト管理メンバーが3名という体制になっています。自社のひな形を用いるときや論点が決まりきった契約であれば、少人数でも素早く対応に当たれますが、取引の種類も多様化しており、一から自分たちでレビューして検討しなければならないケースも少なくありません。

杉村 一平 氏
杉村 一平 氏

藤原 諒太 氏藤原 諒太 氏 

杉村:我々はプロジェクトを手掛ける会社なので、業務の負荷が安定せず、プロジェクトが始まると一気に多くの業務が発生します。少ない人数で多くの案件に対応するために、無駄を省き、時間を効率化したい。そのような課題感から、生成AIの導入を検討していました。

スキルズチャレンジで体感した信頼性の高さ

――選定する際のポイントについて、教えてください。

藤原:海外が事業の中心であるため、英文契約を取り扱うことは避けられません。『CoCounsel』は、英文契約にフィットしていると感じられたことが、大きな決め手でした。

加えて、『CoCounsel』の元となっているデータベースも信頼がおけるもので、人の目によるダブルチェックは必要ですが、安心感をもって使うことができます。さらに、日本で法人を構え、手厚いサポートを日本語で受けられるという点も、導入の後押しとなりました。

――導入を決定するまでは、どのようなプロセスを辿ったのでしょうか。

藤原:メールでご紹介いただいた後、オンラインデモを見せてもらいました。多機能な製品なので、最初は情報量が多く、どのように業務へ適用できるのか悩みました。そのとき、スキルズチャレンジのご案内をいただき、「実際に触れる機会があるなら面白そうだ」と思い、2人で参加しました。​

スキルズチャレンジでは、具体的なシナリオをもとに『CoCounsel』をどのように使うことができるか、試してみることができました。自由に触らせてもらえたので、決められたシナリオ以外にも、直近の業務で問題やたびたび直面する論点への回答を確認することができ、「これなら信頼できそうだ」という感触を得られました。その後、トライアルを進め、部署内に展開したところ、社内での評判もよく、スムーズに導入に至りました。

タイムライン作成で数時間の作業が数分に短縮

――『CoCounsel』のどのような機能が便利だと感じていますか。

藤原:まず、スキルが予め用意されているので、直感的に指示を出すことができます。また、タイムライン作成の機能も便利です。大量のPDFを読みこませると、見やすい表形式で時系列にまとめてくれます。

杉村:タイムライン機能は、私も大いに活用しています。何か問題が起きた時、大量のメールを整理して、誰がどのような主張をして、次に何が起こったのか、時系列を整理するのは大変な作業です。導入前は、この作業に何時間もかかることがあったのですが、『CoCounsel』を使えば数分です。より高度な作業に時間を使えるようになりました。

――他にも『CoCounsel』役に立っていると実感することはありますか?

杉村:既存の契約に関する事業部からの相談に対応する時に、効果を実感します。プロジェクトが進む中で問題が起きると、「契約書に照らすとどうですか?」としばしば事業部からの相談が来ます。その際は事業部の指摘する条項だけでなく、それに紐づく関連条項も含めて契約を全般的に検討しなければならず時間がかかってしまいがちでしたが、『CoCounsel』を使えば、関連条項の洗い出しについても時短化ができ、よりポイントに絞った検討に時間を割くことができます。また、似たような案件を何度も扱っているため、以前の同種の契約との比較をするという需要も多く、このような人の手でやると存外に時間がかかる業務の効率化に非常に役立っています。

藤原:自分の作業に時間がかかると部署や社内全体のプロセスが遅れてしまうのはいつも悩みどころです。『CoCounsel』を使うことで、自分のアウトプットにも一定の品質を保ちつつ、部署での協議が必要なポイントに焦点をあてることができ、スムーズに契約レビューや法務相談を進行できます。経験が浅いメンバーの底上げを図るためのアシスタントとしても、とても役立っています。

ベストプラクティス共有でさらなる活用拡大へ

――今後の活用や、法務部の将来像についてお聞かせいただけますでしょうか。

杉村:生成AIは、使い慣れている人とそうでない人で、利用頻度が変わってしまうことがあります。今後は、使いこなしている人から、プロンプトの打ち方や、特定の課題に対して『CoCounsel』で何ができるのかといったベストプラクティスやケーススタディを、部内で積み重ねていきたいと考えています。

また、まだ使いこなせていない機能があります。今はレビューや情報整理を中心に使っていますが、今後は条項のドラフトや契約書そのもののドラフトなど、さらに広い範囲で使っていきたいと思っています。

ぜひCoCounselをお試しください。