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導入事例 |日本たばこ産業株式会社

生成AIソリューション
CoCounsel 導入事例

AI活用で創出した「余白時間」が、法務部門の戦略的役割変革を実現


海外案件の多い事業法務チームが中心となって AI活用を推進 

―法務部門の体制と役割について教えてください。

須﨑:「法務・コンプライアンス統括部」はコーポレートの法務部門で、25名が所属しています。コーポレート以外にも、たばこ事業、医薬事業、加工食品事業のそれぞれに法務組織があります。私たちはコーポレートとして、たばこ事業におけるM&A等の大型投資や、たばこ事業の根幹にかかわる訴訟などをサポートしています。また、当社における全社的な経営上の課題や判断に対する提言・支援といった、いわゆる経営法務機能に加え、たばこ事業以外のコーポレート、医薬事業、加工食品事業の各部門に対する法務サポートも行っております。当部は4つのチームに分かれており、「経営法務」は経営課題やグループ全体の訴訟管理、「事業法務」はたばこ事業の根幹にかかわる案件や他事業・部門への法務支援、「特許法務・商標著作権」は知財関連、「コンプライアンス」は各事業部のコンプライアンス部署の統括を行っています。

─『CoCounsel』を導入したのはどちらの部門でしょうか。

須﨑:私たちが所属している、コーポレートの法務・コンプライアン ス統括部です。8ライセンスのうち5つは事業法務チームが使用し、残り3つは他チームが試用しています。特に私たちのチームは英文 契約を見る機会が多く、契約書や法令の確認も頻繁に行うため 『CoCounsel』の利用頻度も非常に高いです。ほぼ毎日アクセスするほど、今では業務に欠かせないツールになっています。

リサーチツールの可能性に期待しAIの活用を検討

─『CoCounsel 』導入の背景について教えてください。

須﨑:明確な課題があって導入したのではないのですが、ただこうしたツールは今後メジャーになり、他社の法務部門でも活用が進む だろうという認識はありました。大手飲料メーカーさんなど、既に積極的に取り組まれている企業もあります。早めに触れておかないと遅れをとってしまうという危機感が、一種の課題感だったと言え るかもしれません。また、たばこ事業の法務組織にはリーガルテッ クツール全般に精通した同僚がおり、背中を押されたところもあり ました。

─『CoCounsel』の導入に際して、どのような期待がありま したか。

後藤:期待していた点としては、リサーチツールの可能性に注目し ていました。これまでは書籍やネット検索、当局のホームページ 確認など一般的な方法でしたが、AIツールを使ったリサーチがどこ まで精度が高くできるのか確認したいと思っていました。法令調査 はもちろん、特に海外のプロセスや手続き、初めて聞く用語の意味、 どの省庁が所管しているかなど、まずはAIで当たりをつけてから 詳細を調べるという使い方を想定していました。

須﨑:以前は『Practical Law』も利用していましたが、調べるにもス キルが必要でした。若手社員が初めて触れる場合や英語での検索 となると、さらにハードルが高くなります。『CoCounsel』であれば、 チャット形式でフランクに質問しても、ある程度の当たりがつくので、 案件の方向性や進め方の指針になるだろうと期待していました。

須崎 亮順 氏 

コミュニケーション品質と長期運用力を重視して導入

─『CoCounsel』の採用を決めた決め手は何だったのでしょ うか。

須﨑:実は他にも並行して試していたツールがありましたが、社内で話し合った結果『CoCounsel』を選びました。大きな決め手となったのが、回答の精度とチャットボットでのコミュニケーションの質です。求めている回答がそのままスッと返ってくる、そのコミュニケーションコストの低さを評価しました。

また、UIの観点も重要でした。『CoCounsel』はログインした時点で何ができるかを表示してくれることに加え、ドキュメントをアップロードしたり、そのままチャット形式で質問を入力すると「何をしますか?」といった様々な選択肢や提案を提示してくれます。他のサービスでは最初から自分で何をしたいか決めなければならず、サービスに関する事前知識が必要と感じました。直感的に使える点は 『CoCounsel』 の大きなメリットだと感じています。

栁澤 美智子 氏 

須﨑:過度に慎重になる必要はないと思います。こうしたツールは、2,3年もすればかなりメジャーになると考えています。「リスクが見 えないから使わない」という判断をしていると、どんどん遅れをとってしまうでしょう。もちろん投資効果の測定は必要ですが、使っても いないのに内部で検討しても地に足のついた議論はできません。 まずは使ってみて、そのうえで振り返りや効果測定を行うことをお勧 めします。

─導入プロセスはスムーズに進みましたか?

須﨑:当社IT部門によるセキュリティチェックに多少の時間を要し ましたが、全体として特段大きな障壁はありませんでした。部内の 上司や部長クラスを説得する必要もなく、新しいツールを試せるものがあればどんどん使っていこうという環境にあるため、導入自体はスムーズに進みました。

─実際に利用してみて、いかがでしたか。

後藤:従来は Google などでキーワード検索して、出てくる結果を一つずつ確認していましたが『CoCounsel』では精度が高く、自 分が求める答えに瞬時に近づけるようになりました。時間短縮と いう面では、英文メールの作成が顕著です。日本語で書いた内容 を『CoCounsel』に入れて「フォーマルな感じでメールにして」と 指示するだけで、以前は 20~30分かかっていたものが 1~2分で 完成します。

栁澤:私も、かなり時間短縮を実感しています。英文契約書の要約 など、自分で探り探りしながら作成していたときよりも、大幅に効率 が上がりました。特に『CoCounsel』のバージョンが1.0から2.0に アップデートしてからは、チャットの精度がより一層向上し、コミュニ ケーションがとても楽になりました。

サマライズ機能と専門用語対応で業務品質が向上 

─『CoCounsel』を使うことで、具体的にどのような業務 効率の改善が見られましたか?

須﨑:事業法務チームでは、M&Aや資金調達関連の複雑な契約書のレビューも多くあるため、100ページ、200ページといった膨大な 分量の英文契約を見ることがあります。最終的には全てに目を通し ますが、まず全体像をいち早く把握するという点で非常に役立って います。

これまでは目次を見て内容を推測し、それから実際の条項に飛んで読んで把握するという手間がありました。しかし『CoCounsel』を使えば「この契約書の第〇条について、どういうことが書いてあるのか簡単にまとめて」と指示するだけで、すぐに概要が出てきます。これは業務効率の向上に大きく貢献しています。

─ 契約書以外の活用法はありますか?

栁澤:私は、英文契約書の分析に活用しています。初めて見る契約類型で、長文かつ複雑なもの、例えば様々な役割の人が出てきたり、 外国の制度や法令が登場したりする場合にまず『CoCounsel』に要約してもらいます。そして、そこで出てきた用語や制度について 「もう少し詳しく教えてください」と掘り下げていきます。さらに分からない点があれば「これはこういうことですか?」と確認すると、より分かりやすく説明してくれます。

須﨑:契約内容をきちんと理解できないと、どのようなリスクが あるのかも評価することができません。例えば「この法令を遵守することを表明保証する」という条項があった場合、その法令が 何かを理解する必要があります。『CoCounsel』で概要を把握してから必要に応じて詳細を調査するという流れができ、スムーズにリスクを評価できるようになりました。

後藤:あと、英文メールの品質の高さについて驚いています。日本語で打った内容をそのまま英語にしてくれるのですが、こちらで特に修正 をすることなく、そのまま送れるほどの内容と文体で出力されます。 しかも、法律特化型AIならではの強みとして一般的な翻訳ツールとは違い、法律用語の適切な英語表現を使ってくれているのです。外部の米国弁護士とやり取りする際にも、法律業界で通用する共通 言語で書かれているため、コミュニケーションが円滑になりました。

栁澤:私は、英文メールの確認にも使っています。作成した英文を 入れて送ると文法のチェックだけでなく、複数の文章を出してきて 「どちらの表現が良いですか」といった提案までしてくれるため、 勉強になります。時短になるだけでなく、自分のスキルアップにも 役立っています。

AI活用で「余白時間」を創出し法務部門の役割を変革

─『CoCounsel 』を導入したことで、業務フローや対応ス ピードに変化はありましたか?

須﨑:私がJTに入社した12年ほど前と比べると、一つの契約書案件に費やせる時間がどんどん短くなってきています。以前は1~2 週間の余裕があった法務レビューが、今では即日対応や2~3営業 日以内の回答を求められることも増えてきました。さらに、1人が 10件以上もの案件を常に抱えている状況なので、スピーディーに 対応しなければ業務が滞ってしまいます。

法務レビューがビジネスの進行を遅らせるわけにはいきませんか ら、できる限り効率化していく必要があります。『CoCounsel』は そのためのツールとして大いに期待をしていますし、現に非常に役立っています。

後藤:例えば、これまでは契約書の読み込みや検討に1~2日かかっていましたが、それを半日程度に短縮できるようになりました。 時間が短縮されたことで生まれた「余白」の時間を、より価値の 高い業務に充てられるようになりつつあります。

以前は手をつけられなかった案件に取り組めるようになり、より深い分析もできる ようになってきています。

須﨑:ビジネス環境が加速化する中で、法務部門の役割も変わりつつあります。単なるチェック機能ではなく、より戦略的な支援や付加価値の高いアドバイスを提供することが求められるようになっ ています。AIツールによって定型的な作業や基礎的なリサーチが 効率化されることで、そうした高度な役割を果たすための時間が 確保できるようになりました。

後藤:『CoCounsel』がサポートしてくれることで、人間はより本質的な判断や戦略的な検討に集中できるようになりました。例えば、 契約条件の交渉戦略を練ったり、ビジネス部門への説明資料を充 実させたりする時間が増えています。

須﨑:特に新規事業開発のような迅速な意思決定が求められる分野では、法務レビューがボトルネックにならず、適切なリスク評価 を素早く提供できることも非常に重要です。『CoCounsel』は、そうした要請に応えるための強力なツールになっています。同時に、会社としての健全な意思決定を担保するためにもリスクを見落とすわけにはいかず、効率化と品質のバランスを常に意識しています。

後藤 元徳 氏

「まず使ってみる」姿勢が大切

―将来的な『CoCounsel』の利用拡大について、どのような ビジョンをお持ちですか?

須﨑:現在はコーポレートの法務・コンプライアンス統括部のみで 利用していますが、今後の展開については慎重に検討しています。 まずは現在の8名のユーザーがどのように活用しているかという情報共有から始めたいと思っています。

各メンバーがそれぞれどう活用しているかを意見交換したうえで、 今後このツールをどう業務プロセスに組み込んでいけるか、また時間短縮によって生まれた余白をどう活かすかまで含めて議論し ていきたいですね。まずは部内での拡大を検討し、その後たばこ事業の法務メンバーなどへの展開も視野に入れていきます。

―AIツールの導入を検討している企業へのアドバイスを お願いします。

須﨑:過度に慎重になる必要はないと思います。こうしたツールは、2,3年もすればかなりメジャーになると考えています。「リスクが見えないから使わない」という判断をしていると、どんどん遅れをとっ てしまうでしょう。もちろん投資効果の測定は必要ですが、使っても いないのに内部で検討しても地に足のついた議論はできません。 まずは使ってみて、そのうえで振り返りや効果測定を行うことをお勧めします。

ぜひCoCounselをお試しください。