コスト削減を通じたサプライ・チェーン管理

著者: Selin Yavuz

サプライ・チェーンがあらゆる産業施設における最も重要な業務分野の1つであることは言うまでもありません。

サプライ・チェーンのコストを引き下げるだけで、企業は何百万ドルもの利益を生み出すことができます。実際のところ、支出の最適化と節約の機会を追求する上で分析・注力すべき各分野において、コスト削減の可能性は広く開かれています。

一般に、貿易コストは次のように定義されます。「(中略)物品を最終ユーザーに届けるために発生するコスト(物品自体を生産するコストを除く)、すなわち、輸送コスト(運搬コストと時間コストの両方)、政策障壁(関税および非関税障壁)、情報コスト、契約実行コスト、異なる通貨の使用に関連するコスト、法務および規制コスト、ならびに現地の流通コスト(卸売および小売)」(Anderson and Van Wincoop(2004年)))

上記の定義を理解した上で、本概要は、一定程度の国際サプライ・チェーンのコスト削減を達成するために焦点を合わせるべきよい出発点となります。あらゆる規模およびあらゆる業界の企業にとって、サプライ・チェーンのコスト削減の機会を絶えず提供してくれる分野がいくつかあります。例えば、サービス・プロバイダーとの運賃交渉、梱包コストの削減や貨物の混載、通関業者手数料の評価、適用された関税率が正確であるかを判定するための関税分類割当ての評価等です。

2016年のグローバル・トレード・マーケット・サーベイの結果によると、主要な課題となっているのは、監査リスクを生じさせる手動のプロセス、人的ミスや非効率性を企業にもたらす自動化不足、およびFTAの活用不足です。企業はしばしば、支払いを伴う明白なコスト(フォワーダーやコンソリデーター等)に目を向けます。プロセスの効率性の検討(すなわち、手動のプロセスか自動化か)は多くの場合焦点とならず、これは機会の喪失になっていると筆者は推測します。FTAに係るすべてのコスト削減を捕捉できなかったり、単に強固なプログラムを維持する能力がないせいで顧客を支援できなかったりすることに関する、企業の製造におけるコスト削減の失敗を、私たちはしばしば耳にします。

これらの貿易コンプライアンスの各分野は、企業のサプライ・チェーンにとって不可欠ですが、コスト削減分野としてはしばしば見落とされています。実際のところ、これらの効率性に焦点を合わせないことによって、貿易コストは著しく高まる可能性があります。不正確な分類および関税評価に係る複雑性がこのリストに加われば、企業は、自社のサプライ・チェーンを監査リスクとペナルティの可能性にさらすことになります。

さらに、あらゆる製品製造者およびその販売者は、各物品がこれまでどこにあり、誰・何がそれらと関わってきたかを知っていなければなりません。あらゆる輸入者および輸出者は、自社の各商品について、それらがどこから調達されたか、およびそれらがどのように輸送されたかの知識と記録を持っていなければなりません。現在、この活動はサプライ・チェーンのセキュリティの領域に含まれており、これが実行されない場合、サプライ・チェーンはリスクにさらされ、最終的には遅延に関連するコストにさらされます。

国際貿易管理は、パズルのあらゆる側面(すなわち、政府、貿易相手、第三者サービス・プロバイダー、非政府団体および消費者)に由来する複雑性と変化を背負い続けると思われます。プロセスを合理化し最高水準の安全性とコンプライアンスを確実にするために自動化は不可欠となっており、自動化の活用は輸入者および輸出者にとってますます大きな課題になりつつあります。

コンピューター化されたサプライ・チェーン管理は、端から端までの可視性および追跡機能を提供することにより、現代のビジネスに革命をもたらしました。企業は、これを、物品の移動やコストの削減の監督において必須のものと認識しています。実際にこうしたサプライ・チェーン管理は、サプライ・チェーンの各プロセスを自動化・合理化することによって、コストを最低水準に引き下げ、監査とペナルティに対する企業のエクスポージャーを最小化する助けとなり得ます。