ONESOURCE Global Trade 制裁リストスクリーニング「ONESOURCE Denied Party Screening」
三井海洋開発株式会社 導入事例
The challenge
「海洋と人が調和しながら 共生共栄できる世界を切り拓く」というビジョンのもと、世界の海洋油田開発において重要な役割を担っている三井海洋開発株式会社(以下、MODEC)。同社は、石油会社が管理している海洋油田に「FPSO」と呼ばれる船舶型の浮体式海洋石油・ガス 生産貯蔵積出設備を提供し、水深2,000メートルを超える海底からの原油・ガス生産、船上での貯蔵、さらにはシャトルタンカーによる原油の積み出しまで、洋上での生産活動を一貫して支えています。
こうしたビジネスの性質上、MODECの事業領域は世界各地に広がっています。本社機能は日本に置きつつ、FPSOの建造拠点はシンガポールやマレーシア、インドなどに展開。実際にFPSOが稼働する海洋油田もアジア、中南米、オセアニア、西アフリカなど複数地域に分布し、これを支えるサプライチェーンはグローバルに広がっています。MODECが世界で運用するFPSOの総生産量は1日あたり約110万バレルに及び、世界の石油生産に有意な割合で貢献しています。
近年、石油会社のFPSOに対する設計要求は高度化し、より大水深向けのFPSOが要求され、大型化が進んでいます。鉄鋼材などの原料も高騰しているため、建造コストも大きくなっている傾向があります。
グローバル事業を支える世界各国の法令に準拠したリスクマネジメント
こうしたグローバルな事業を支えるうえで、法務&プロジェクト管理部は各事業部門と連携し、各国法令に準拠したリスクマネジメントを推進しています。石油会社とのFPSO傭船契約、FPSO建造に関わる契約や建造に必要な機器ベンダーとのサプライヤー契約など、世界各国にまたがる多様な取引に対応。取引先企業や契約内容のレビュー、取引に伴って発生する紛争対応を、海外拠点の法務担当部門とも協力して進めています。
さらに、FPSOの建造・操業に関わるバリューチェーン全体にわたるリスク管理を通じて事業部門を支援するとともに、東京本社ではプロジェクトファイナンスや新規事業開発、新規子会社やジョイントベンチャーの設立に関する法務面のサポートも担っています。
近年、MODECは洋上風力などの再生可能エネルギーや、アンモニア・メタノール・水素といった次世代エネルギー、さらにデジタルソリューションなど、新たな可能性に向けた取り組みを進めています。
The solution
早期リスク把握・可視化による貿易コンプライアンス強化
2025年より、法務&プロジェクト管理部は各国の貿易コンプライアンス対応を重点領域として強化しました。従来は、FPSO建造・納入を中心とするビジネスモデルで、各国の貿易ルール対応は海外子会社が主に担っていましたが、ウクライナ情勢や米中貿易摩擦の影響により事業環境が変化。経済制裁・関税・貿易規制の影響が建造拠点やサプライヤーにも及ぶ中、本社主導での状況把握と全社的な対応が不可欠となりました。
FPSO建造に関わっているサプライヤーなどの企業が経済制裁の対象になると、FPSOの建造そのものが停止する可能性があります。クライアントへの納入が遅延した場合、1日あたり多額の遅延損害金が発生しかねません。刻々と変化する貿易コンプライアンスはMODECにとってビジネスリスクそのものなのです。
本社としては、各国の貿易コンプライアンスや貿易ルールに準拠していることを確認しながら、現況を経営陣にレポートするという役割も推進していかなければなりません。
特に課題だったのは、取引先が制裁対象に該当するかを把握するスクリーニング業務です。既存の制裁対象のみならず、将来的に対象となり得る企業の早期兆候を捉える必要がありました。こうしたリスクを可視化し、予防的に打ち手を講じられる体制の整備は、法務&プロジェクト管理部に限らず経営にとっても重要なテーマです。
制裁対象となり得る造船所や重要機器ベンダーがサプライチェーンに含まれる場合、建造の遅延やクライアント納入への影響など、重大なリスクが発生し得ます。そこで、各国の貿易規制やルールへの準拠状況を継続的に確認し、タイムリーに経営へ報告する仕組みを整えることが、早期の対応判断とコスト影響の回避につながります。
無料デモンストレーションで実感
シンプル&コストパフォーマンスが高いDPS
貿易コンプライアンス上のリスクポテンシャルをグローバルで把握する必要があるというMODECの課題に対し、導入されたのが、トムソン・ロイターの「ONESOURCE Global Trade ‒ Denied Party Screening」です。同ソリューションは、世界で750を超えるリストを参照し、自社のカスタマーとサプライヤーをシームレスかつ自動的にスクリーニングすることで、取引禁止対象者、禁輸対象国、取引禁止対象の所有企業などを特定します。世界240カ国・60以上の言語をカバーしているほか、ダウ・ジョーンズリスク&コンプライアンスが提供される制裁関連の所有権調査データにも対応しています。
MODECがこのソリューションを採用した理由は、主に3点あります。ひとつは、一万件近いベンダーリストを一括でスクリーニングできること。そして、現状制裁対象ではないものの、制裁対象企業と支配に至らない関係を有するグレーゾーンの企業についても把握可能であること。最後に、シンプルでわかりやすくコストパフォーマンスに優れていることです。実際に他社ソリューションも比較・検証した結果、「ONESOURCE Denied Party Screening」が当社要件に照らして実務適合性が高いと評価されたといいます。
無料デモンストレーションを通じて、自社のニーズを十分に満たせることを実感できた点が、導入の決め手となりました。早急な取引先スクリーニングの必要性は経営陣とも意見が一致していたので、導入にあたっての社内の調整もスムーズに進めることができました。
The future
BIS50%ルールにも対応、
客観的・網羅的スクリーニングで説明責任を果たす
迅速な検討と導入を経て、「ONESOURCE Denied Party Screening」は取引先スクリーニングの実務においてすでに活用が始まっています。導入後は、当初想定していた要件を満たすだけでなく、経営陣への説明責任を果たすうえでも有効に機能しているといいます。特に、アメリカの商務省産業安全保障局(BIS)が作成するエンティティリスト(EL)に掲載された企業・団体(親会社など)が50%以上所有する関連会社も、自動的にアメリカの制裁対象(規制対象)とみなすルール(いわゆる50%ルール)については、直接・間接を問わず一定の所有率に応じてアラートを出す仕組みにより、より客観的かつ網羅的な確認が可能になっています。
現在、MODECの取引先に50%ルールに抵触する企業はありませんが、『対象企業はない』と証明することも実は難しい。世界情勢の動きを受けて経営陣から『懸念される企業はあるのか』と問われた際に、客観的なデータをもとに取引先企業のリスク有無を説得力のある形で説明できる点が、非常にありがたいと感じています。
世界情勢が絶えず変化するなか、企業の法務・コンプライアンス部門に求められる役割は拡大しています。MODECは、自社のビジネスを全体俯瞰し、想定し得るリスクシナリオを特定・評価し、継続的にモニタリングすることを重視しています。
今後、自社事業にどのような取引リスクが想定されるのか。それは回避可能なのか、あるいは回避が困難なのか。こうした情報を体系的に整理し、事業部門および経営陣に共有することで、最終的には経営判断の高度化を支援することが可能になります。
事業部門や経営陣に対して、適切な情報を適切なタイミングで提供し、的確な意思決定を支えること。そのための説明責任を果たしていくことこそが、法務・コンプライアンス部門に期待される重要な役割となっています。
At a glance
Industry
石油・ガス設備サービス
Headquarters
東京都
Solutions
ONESOURCE Global Trade
(Denied Party Screening)
Year founded
1968年
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