トムソン・ロイター DealWatch、2017年度の「DEALWATCH AWARDS」を発表

総合部門は発行体に 「アサヒグループホールディングス」、引受ハウスに 「大和証券」を選定

2018年3月30日

トムソン・ロイター・ジャパン株式会社の「DealWatch」は、2017年度に国内資本市場において債券や株式を発行した優秀な発行体、海外でオファリングを行った本邦発行体および案件を運営した引受証券会社を称える賞「DEALWATCH AWARDS 2017(ディールウォッチ・アワード2017)」を発表しました。

DEALWATCH AWARDSは、日本関連の資本市場の育成・拡大に資することを目的に 1995年に設置されました。「本邦市場が世界の主要市場としてさらに発展していく」という観点から、アワードは発行市場における適正なプライシング、流通市場に移行した後の価格形成、資本市場の発展への貢献や創意・工夫などを考慮し選定されています。

2017年度の DEALWATCH AWARDS は、「総合」 「社債」 「地方債」 「サムライ債」 「株式」の計5部門で構成されています。

賞の選考方法は、まず主幹事実績やシンジケート団参加の実績がある引受証券会社や投資家にアンケートを依頼し、該当会計年度の案件から各部門の受賞候補を推薦して頂いています。2006年度からは、希望する証券会社からの自薦を受付け、DealWatch編集部が、選定された候補案件や候補者を独自の判断基準に則り、さらに吟味・選考した結果、最終的に受賞案件、受賞者を決定しております。

2017年度のDEALWATCH AWARDS受賞一覧については下記をご覧ください。

以上

DealWatchについて
DealWatchは日本の企業および地方公共団体、非日系発行体の資金調達活動をリアルタイムにリポートする日本語のスクリーンニュースサービスです。その速報性、正確性、専門性の高さには定評があり、信頼できる資本市場情報として、市場関係者から支持を得ています。主幹事・引受等のリーグテーブルは、客観的かつ公平な指標として、発行体の主幹事選定や引受業者のマーケティング活動において幅広く活用されています。

トムソン・ロイターについて
トムソン・ロイターは企業と専門家に向けてニュース・情報を提供する企業グループです。顧客の皆様が信頼できる解を得るために必要となる専門性、テクノロジー、情報を提供しています。トムソン・ロイターは100年以上の歴史と共に、世界100か国以上の国で事業展開しています。トムソン・ロイターの株式は、トロント証券取引所およびニューヨーク証券取引所に上場されています。詳しい情報はhttp://thomsonreuters.comをご覧ください。

DEALWATCH AWARDS 2017受賞一覧

総合部門

<Issuer of the Year>
アサヒグループホールディングス

中東欧5ヵ国のビール事業取得に伴い、本邦債券市場で本年度最大となる2800億円を調達、9月にはユーロ市場で12億ユーロを起債した。欧州事業のプレミアム化とシナジー創出などの成長戦略が評価され、両市場で投資家基盤を広げた。

<House of the Year>
大和証券
米国金融政策の転換や米国発の世界同時株安など急変する市場環境において、債券・株式両市場で本年度を代表する数々の大型案件を執行。市場動向を捉えた商品設計力が評価されたほか、トリプルB格の企業や地方自治体などの資金調達も積極的に支援し、発行体と投資家のすそ野を広げて市場の活性化につなげた。

社債部門

<Bond Issuer of the Year>
ブリヂストン
本年度初の大型起債として4月に1500億円を成功裏に調達。後続の高格付け債に良好なモメンタムを形成するベンチマーク案件となった。設備投資など成長戦略を目的とした戦略的な起債であるとともに、自己株取得を通じて資本効率の向上を図った。世界のトップメーカーとしてのプレゼンスと健全な財務体質に裏打ちされた積極的な資金調達に対し、投資家からの関心は大きく、旺盛な需要を集めた。

<Bond House of the Year>
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
戸田建設による本業プロジェクト対象のグリーンボンドや財投機関として初の鉄道・運輸機構によるグリーンボンドを筆頭に、急速に関心が高まっている社会貢献型債券の推進に大きな功績をあげた。また、発行市場の透明性を高めるポット方式の導入案件を増加させる一方、ハイブリッド債の発行も支援、新手法の普及に向けた先駆的な役割も注目された。

<Bond of the Year>
第1回積水ハウス債 (1200億円、60年NC5、劣後債)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券/SMBC日興証券/みずほ証券
本年度初の事業会社による円建てハイブリッド債。5年後の初回コール時に100bpステップアップする仕組みを導入した。投資家が早期償還の可能性の高さを理解しやすい商品設計で旺盛な需要を喚起するとともに、市場に新たな選択肢を提供した。

<Debut Debt Deal of the Year>
第1回ノジマ債 (100億円、3年)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券

第2回ノジマ債 ( 50億円、5年)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
あらゆるモノがネットでつながる“IoT時代”を見据え、相次いで買収を展開。銀行借り入れの増加に対応するため社債発行に踏み切った。自社の資金調達手段を多様化をすすめるとともに、トリプルB格債市場の注目度を高めた。積極的なIRや投資家訪問などで適正な発行条件を導き出し、地方投資家を中心に発行額を大幅に上回る需要を喚起した。

<Innovative Debt Deal of the Year>
第1回野村総合研究所豪ドル債 (5000万豪ドル、5年)
野村證券
本邦企業による外貨建て国内公募普通社債は今世紀初めてのケース。国内発行によって、少額からの機動的な外貨調達が可能となった。日本語でのドキュメンテーションにより事務負担を抑え、低コストの外貨調達を実現した。国内の外貨投資ニーズにも応えた。

<Offshore Bond of the Year>
ソフトバンクグループドル債 (27億5000万ドル、永久NC6、劣後債
モルガン・スタンレー・インターナショナル/ドイツ銀行/メリルリンチ・インターナショナル

ソフトバンクグループドル債 (17億5000万ドル、永久NC10、劣後債)
モルガン・スタンレー・インターナショナル/ドイツ銀行/メリルリンチ・インターナショナル
本邦事業会社として初めてとなる外貨建てハイブリッド債。ハイイールド発行体による資金調達だが、同社の知名度や事業基盤の拡大が評価された。米国オフショア投資家も含め、SWFや生保、年金基金など質の高いグローバル投資家から関心を集め、発行額45億ドルを大幅に超える需要が積み上がった。


地方債部門

<Local Government Bond Issuer of the Year>
大阪市

流通実勢に比べた利回りの低さで敬遠されてきた5年ゾーンについて、昨年9月と今年1月の起債で水準調整に挑み、新たな需給の均衡点を見いだした。「市場をけん引する大阪市債」との戦略のもと、常に市場実勢を考慮したマーケティングを展開した。

<Local Government Bond House of the Year>
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
自治体初となった東京都のグリーンボンドへの需要に過熱感が出る中、的確なアロケーション方針を示し、柔軟な起債運営を行った。その他の地方債発行においても、各年限毎の水準感や投資家目線を精緻に把握し、市場実勢にあわせた水準調整を支援した。

<Local Government Bond of the Year>
千葉県第1回公募公債(30年・定時償還) (100億円、30年)
野村證券/東海東京証券/SMBC日興証券
年定時償還債の販売不振がささやかれる中、条件設定の透明性を高めるため、ミッドスワップ対比のスプレッドに加えて、国債対比の参考スプレッドを導入。千葉県としては初めての30年定償債となったが、起債運営が評価されて慎重姿勢の中央投資家も参加。定償債発行市場全体の安定化にも貢献した。

サムライ債部門 

<Samurai Bond House of the Year>
みずほ証券
インドネシア初の公募サムライ債やBPCEのソーシャルボンド、サムライ債市場で初めてのポット方式を導入した新韓銀行など本年度を代表する案件に関与し、それぞれの起債を成功に導いた。主幹事リーグテーブルで首位の引受実績を残した。

<Samurai Bond of the Year>
第1回サンタンデール銀行債  (837億円、 5年、非上位債)
みずほ証券/野村證券

第3回サンタンデール銀行債  (122億円、10年、非上位債)
みずほ証券/野村證券
南欧民間ネームが10年ぶりにサムライ債市場にアクセス。欧州債務危機以降、南欧のクレジットが敬遠されてきた経緯があるが、今回スペイン銘柄で非上位債という条件にも関わらず適切な発行条件で幅広い投資家需要を創出した。15年11月に同銀グループ会社がプロボンド市場で起債した後、IRや定期訪問で投資家による理解を深め、昨年12月に公募サムライ債の起債に繋げた。

株式部門 

<Equity Issuer of the Year>
ルネサスエレクトロニクス

東日本大震災よる業績不振から成長プロセスへの移行が注目される中、3485億円の大型売り出しを実現した。浮動株比率が3%という条件を克服するため、絶対値レンジによるマーケティングを展開。国内外の長期保有投資家を中心に、オファリングの約6倍の需要を喚起した。

<Equity House of the Year>
野村證券
本年度も株式リーグテーブルで首位。大型案件から小型案件まで国内外を問わず上位幹事として関与し、安定的に案件を運営。新たなビジネスモデルを持つ新興企業から老舗企業まで新規上場をサポートした。また発行体のニーズに合わせた商品設計を提案した。

<Equity Deal of the Year>
日本郵政
[受渡日 09/29] 大和証券/野村證券/ゴールドマン・サックス証券
オファリングが1兆3000億円とブックビルディング方式導入後で歴代2番目となる大規模案件を実現。圧倒的な知名度と資産株としての魅力を生かして販売。自己株取得や民営化案件初となる追加売却スキームを導入して円滑に消化した。

<IPO of the Year>
SGホールディングス
[受渡日 12/13] モルガン・スタンレー・インターナショナル/大和証券
1200億円超の規模となった本年度最大のIPO。アジアの総合物流企業を目指して日立物流との経営統合も視野に入れ、ガバナンス体制と透明性の高い経営体制を構築、調達手段の多様化を図る。企業間物流への注力や収益性の高いビジネスモデルが幅広い投資家から評価された。

<Equity-linked Product of the Year>
ANAホールディングス 2022年満期ユーロ円CB (700億円、5年)
野村インターナショナル

ANAホールディングス 2024年満期ユーロ円CB (700億円、7年)
野村インターナショナル
株式の希薄化懸念を抑えつつ、航空機購入などの成長資金を確保するCBスキームを導入、同時に自己株取得を実施した。「資本蓄積の充実」から「資本効率の向上」へ資本政策を変更。CB発行条件には株式への転換を制限する条項を盛り込むとともに、交付上限株数は自己株取得数より少なく設定、実質的な希薄化ゼロを実現した。

<J-REIT Deal of the Year>
GLP投資法人
[払込日 03/01] シティグループ証券/みずほ証券/野村證券/SMBC日興証券
601億円と本年度最大のJ-REIT案件で、スポンサーであるGLPの株主が異動し非上場化されて初めての増資。米国の金利上昇をきっかけにJ-REIT市場が急落する環境下での厳しい案件運営となったが、借り入れ余力を高め、分配金を増やすなど、投資主価値の向上を実現してスポンサーが変わらぬコミットメントを示した。

<Innovative Equity Deal of the Year>
東芝(第三者割当増資)
[払込日 12/05] ゴールドマン・サックス証券(プレースメント・エージェント)
年度末までの債務超過懸念の解消に大きく貢献した。第三者割当増資によって調達額の変動を防ぐとともに、ファイナンスの準備期間を短縮。財務の安定性と経営の自由度を確保するため、優先株ではなく普通株式を選択するなど、様々な角度から発行体の制約を克服した。海外投資家60社に販売、大幅な希薄化にも関わらず株価も好調に推移した。